元営業マンに聞いた風俗求人の今と昔

風俗求人業界を知る元営業マンにインタビュー

今や風俗のバイトをしようと思ったら、スマホやPCからインターネットで簡単に探すことが出来るようになりましたよね。しかし、昔は当たり前のように紙媒体がメインの接触口であった訳です。有料の風俗求人雑誌も目にしなくなって随分と経ちましたが、コンビニや本屋さんに堂々と置いてあったので印象に残っている人も多いのでは無いでしょうか?今では辛うじてフリーペーパーなどをマンガ喫茶などで見かけることがあるくらいでしょうか。
今回はそんな時代の変遷を現場で見てきた風俗求人媒体の営業をやっていたKさん(36歳)に話を伺い、過去と現在の風俗求人事情がどのように変わったのかを探ってきました。

風俗求人への入り口は雑誌からネットへ

――風俗求人誌で営業マンをやっていたんですよね。
「4年前まで働いていました。と、言っても雑誌広告の営業は10年ほど前まで、最後の方はネット広告ばかりでしたが。」
風俗求人誌からサイトへ――雑誌全盛の時代は、何誌くらいあったんでしょうか?
「大小合わせて、10誌以上はありましたよ。昔は風俗のバイトを始めようと思ったら、とりあえず風俗求人雑誌を買うというのが当たり前でした。もちろんスカウト経由で働く女の子もいましたが、繁華街の中にある本屋さんやコンビニでも当たり前のように青年誌と並んで売られていましたからね。歌舞伎町にある塩田屋というスーパーマーケットみたいなお店が今でもあるんですけど、あそこにも雑誌コーナーがあって、置いてもらってましたよ。結構売り上げも良かったんですよ」
――風俗求人誌の営業って、どんな仕事をするんですか?
「結構単純ですね。まずは営業を掛けるエリアを決めて、手当たり次第に風俗店へ飛び込みを掛けるんです。テレアポしたって忙しいからって言われて終わりなので、とにかくお店で捕まえないと話にならなかったですね。そこから時間をもらって始めて広告商品の説明が出来ます。」
――なるほど。体力的にも精神的にもきつそうですね。
「それはもう。苦労することが多かったですよ。会ったその場で契約が取れないと出稿してもらえないですからね。風俗店は夕方以降がコアタイムになるので、決裁権を持った店長さんなんかは出勤するのも夜なんで、皆が仕事を終えてどこで飲 もうかなんてしている時に、こっちは交渉の真っ最中ですから。
契約が取れなかった時も辛いですけど、気に入られたらそのまま飲みに誘われることもありますから、当然断れないですよね。そうすると、もう終電は諦めなければならない訳です。雑誌時代は広告費自体が高かったので、まだ良かったですがネットがメインになってからは広告費自体がもの凄く安くなってしまったので下手に飲みに行ったら、交通費や宿泊費だけで売り上げなんてすぐ飛んじゃいますからね。」
――完全に夜の世界ですね(笑)。雑誌からネットに変わったことでそんなに売り上げも変わってしまったんですか?
「変わったなんてもんじゃないですね。ビジネスモデルとして破綻してますよ。それが理由で仕事も辞めた訳ですから(笑)。

風俗店での序列は最下位

昔は風俗求人の広告代理店で働いていると、よく『夜の電通』なんて言われていましたけど、唯一の魅力が高月給だけでしたからね。本物の電通マンは高給取りで、さらに芸能人や綺麗な女性たちにもすごくモテるけど、こっちは一般女性にも風俗嬢にもモテなかったですから(笑)。
風俗店の中では一番下の立場ですから、お店のオフィスでバイトの面接が終わるのをずっと待っていたもんです。人気店なんかの場合は、面接に来る女の子の数も多いですから、バイトの面接に来た女の子にはお店のスタッフと間違えられえ良く声を掛けられましたよ。そりゃそうですよね。ずっと暇そうに座ってるんですから(笑)。
――反対に良かった思い出とかはありますか?
「高給だった以外はささいなものですが、お店との付き合いが長くなると風俗嬢への抜き打ちチェックを頼まれるんですよね。風俗って本番はNG行為じゃないですか。それでも中にはお店に内緒で本番をしてお客を掴まえる子がいるんですよ。それをサービスチェックという名目で客に扮して、サービスを受けながら本番の誘いをするんです。
ベテランの風俗嬢から風俗のバイトは初めてのような子もいるので楽しかったですね。特に未経験の女の子は慣れていないんで押しに弱かったりするんです。かれこれ500人くらいはサービスチェックをしましたね。結果的に今の仕事にも繋がる部分があるので、良い思い出とは言えますね」
――めちゃくちゃ羨ましいじゃないですか。今の仕事に繋がると仰ってましたが、現在はどんなお仕事をされてるんですか?

風俗店のコンサルを始めて序列がジャンプアップ

「今は経営コンサルタント会社を経営してます。主にクライアントはもちろん風俗店です。やっぱり昔の経験と人脈は活かしたいですから。そう考えると、今でも夜に風俗店巡りをしている訳ですから、昔とあまり変わらないかもしれませんね。ただ、お店の中の序列は確実に上がりましたよね。昔はバイト希望者の面接待ちをしていましたが、今ではスタッフと一緒に面接官もしたりしますから。
やっぱり昔にサービスチェックという名目でたくさんの風俗嬢にサービスを受けながら話を聞いた経験が活きていますね。彼女たちがどういう考えで風俗で働き出したのか、バイトをする為に何を最初にしたのか、お店を移りたいと思うのはどんな時かを話しながら相談にも乗っていましたから。
風俗業界自体は、雑誌からネットに変わったことで営業戦略や、中には業態まで変化してしまったケースも多々ありますが、風俗嬢や風俗でバイトをしようとしている女の子たちの考え方や環境はそう変わらないですからね。それは、これからも変わらないと思います。だからこそ私が協力出来ることが、これからもまだまだたくさんあると思いますね。」
――社会は変わっても、人は変わらないということですね。非常に勉強になりました。」

いつの時代も風俗でバイトをする女の子は同じ

以上が、夜の街を良く知る元営業マンのお話です。
社会の変化に伴い、サービスや業態が変わっても、そこで働く女の子の内面は変わらないという言葉が非常に重みを持った貴重なお話でした。
これからも夜の街にまつわるディープな情報を持っている方々へ積極的にインタビューしていきたいと思いますのでお楽しみに!